大阪府が休業要請と一体に「支援金」――世論が政治を動かしはじめた!
緊急事態宣言のもとで、感染拡大防止のために休業要請が出されていますが、休業の要請と損失補償はセットでなければ、感染拡大を抑えることも暮らしを守ることもできません。ところが安倍政権は「損失補償はしない」という姿勢です。国が動かない中で、東京都をはじめ次々と独自の支援策に乗り出す自治体が広がり、とうとう与党内からも「国民1人10万円支給せよ」の声が上がり始めました。(※4月16日、安倍内閣はさまざまな条件付きでの1世帯30万円支給を撤回し、全国民に1人あたり10万円現金給付をおこなうことを決定)
吉村府知事はこれまで、東京と違って大阪には財源がないから独自の補償はしないと言ってきましたが、4月15日、「休業要請」に協力した中小企業や個人事業主に、一律の支援金を支給すると表明しました(支給金額は個人事業主50万円、中小企業100万円)。今回の事態の深刻さと国民世論の広がりが、国と大阪府を動かしはじめています。
今回の知事の表明は「一歩前進」です。しかし収束までの道のりがかなり長期にわたるもとで、1回こっきりではなく数次にわたる支給を想定した予算をくむべきです。さらには感染抑止の最前線で奮闘している医療機関や介護施設に対する財政的支援も含めて、府民の命と暮らしを守るための思い切った手立てをとるべきです。
財源はあります。大阪府の「財政調整基金」は、約1,564億円(2019年度末)で、東京都と比べると確かに財源は少ない。しかし、府と政令指定都市が協力すれば、東京都並みの取り組みができる可能性があります。大阪市には、「財政調整基金」が約1,628億円(2019年度末)、将来の借金返済にむけた積立貯金である「公債償還基金」が6,453億円(2020年度末見込み)あります。この基金は、緊急時にはその一部を一時的に借り入れることができます。府と市が連携協力し、「自粛・休業要請と事業者・くらし支援
をセット」にした感染爆発防止策を大胆に打ち出すべきです。