大阪市をバラバラにする「都構想」――内容はボロボロ、撤回しかない!
違法・脱法・ルールやぶりででっちあげた「協定書」は撤回すべき
9月25日から定例大阪府議会がはじまり、松井知事は「大阪都構想」の設計図=「協定書」案を上程しました。大阪市議会でも橋下市長が10月1日に同じ議案を出す予定です。維新の会が狙う「都構想」実現のためには、府・市議会が「協定書」案を承認し、さらに大阪市民を対象にした住民投票で賛成多数が必要だからです。
しかしこの「協定書」なるものは、これを協議していた法定協議会から反対意見や批判的意見をのべた野党議員を全員排除して、維新の会単独で決めたものです。野党の側が、協議会正常化のために臨時議会をひらくことを求めましたが、知事も市長もこれを拒否しました。こうした明らかな違法行為や脱法行為、ルール違反を重ねてつくられたものです。その上、次に書いているように、その内容も議論に耐えないボロボロなものなのです。
橋下市長、松井知事、そして維新の会は「協定書」を撤回し、正常な法定協議会でもう一度議論をすべきではないでしょうか。
4千億円の財源、わずか7億円に
2011年秋の知事市長ダブル選挙の時、橋下市長らは「大阪都」構想で府市を再編すれば4千億円の財源が浮くと主張していましたが、「協定書」では府市の施設の統合で生まれるのは7億1200万円にすぎないことが明らかになっています。
逆に、三つの特別区で新たに庁舎を建設するなど、初期コストは555億円に増え、借金の返済などで年間50億円のコスト増になります。
「中核市並み」のはずが一般市並みの権限もない
「協定書」によれば、国民健康保険や介護保険、水道など、暮らしに直結する事業の多くは、各「特別区」ではなく5つの「特別区」が寄り集まった「一部事務組合」が担います。
したがって、「特別区」が勝手に国保料や介護保険料などを変更することもできません。「特別区」には一般市並みの権限さえないのです。基礎自治体として半人前なのです。
2万8千人に1人の区議。これで区民の声を議会に届けられるのか
西淀川区が含まれる「湾岸区」(西淀川・此花・港・大正・住之江)は人口34万人。「協定書」によれば「湾岸区」の議員数はわずか12人、住民2万8千人に区議が1人です。同じ人口規模の東京都北区(33万人)の議員定数は44人、吹田市(34万人)は36人。高知県土佐清水市は議員が12人ですが、人口は1万6千人しかありません。
こんなことで本当に区民の声が区議会に届くのでしょうか。