介護保険料の滞納でペナルティ――全国1位は大阪市?!
6月29日付「しんぶん赤旗」日刊紙2面に、「介護保険料 滞納ペナルティ1万2800人」という記事が掲載されました。介護保険料を滞納すれば、その滞納期間の長さによって3段階のペナルティ(罰則)が用意されていますが、このペナルティを受けた高齢者が全国で1万2849人(2013年度)に達したという記事です。そして、ペナルティを受けた人が全国で最も多いのが大阪市なのです。第2位の横浜市を大きく引き離しての1位です。※「しんぶん赤旗」記事
(介護保険料滞納者に対する3段階のペナルティ)
- 滞納1年以上 利用したサービス費用の全額を一旦負担し、後から払い戻しをうける。
- 滞納1年半以上 滞納分の保険料を納めるまで、払い戻しがストップされる。
- 滞納2年以上 利用料の自己負担が1割から3割に引き上げられる。
(ペナルティを受けた人数が多い自治体トップ3)
- 大阪市 935人
- 横浜市 441人
- 福岡市 332人
(大阪府内の介護保険料H27年~)
- ①大阪市 6,758円
- ②泉佐野市 6,675円
- ・・・
- ㊵島本町 4,900円
- ㊶高槻市 4,833円
大阪市の介護保険料(基準額)は今年4月の改定で月額6,758円に上がりました。前年度に比べて14.6%もの大幅値上げです。大阪市の介護保険料は大阪府内でも政令指定都市の中でも最高額でしたが、今もこの不名誉な地位を維持しています。府内で一番保険料が低い高槻市よりも約2,000円近く高いのです。保険料滞納の最大の理由は「高すぎて払えない」ということでしょう。ズルをしていると決めつけて罰を与える政治は本当におかしい。
大阪市はホームページで大幅な保険料値上げの理由について、①国の制度改正の影響、②要介護認定者数の増加、③前期に実施していた軽減措置の終了――の三つを上げ、「全国的にも大幅な上昇となっております」と書いています。「どこも上がっているだから我慢せよ」といわんばかりの冷たい政治です。
介護保険は、必要な費用の50%が公費(国・大阪府・大阪市)でまかなわれ、あとの50%が保険料です。抜本的に公費負担を引き上げることがどうしても必要です。大もうけをあげている大企業の税金を引き下げたり、不要不急の大型開発や軍事費にかける税金を社会保障に回せば、それは可能です。