大阪市議会議長の不信任決議についてのわが党の見解(北山良三)
大阪市議会では、見延市議会議長(維新の会)が自らの議長就任パーティにおいて、市立高校吹奏楽部の演奏をさせた問題をめぐり、9月26日に議長不信任決議が自民、公明、OSAKAみらい(民主系)の3会派の賛成で成立し、「即時辞任せよ」(3会派)、「辞任はしない」(維新)とすったもんだの末、10月24日に議長から今年12月末で辞任するという申し出を全会一致で了承し、決着がつきました。
この問題についての日本共産党大阪市会議員団の立場、見解をご報告します。
- 本年8月末の大阪市会 美延議長の「議長就任パーティ」で、市立高校吹奏楽部によって演奏が行われたことについて、クラブ活動の成果の発表の機会という思いで参加した生徒たちに、結果として特定の政治家のパーティに協力させたという議長の行為は軽率であり、不適切なもので、これを反省し謝罪すべきことは当然であると考えます。
- わが党市会議員団は、議長に辞任を求め、あるいは不信任とすべき対象としては、例えば、不法行為や犯罪を犯した場合や、人権を蹂躙したりハレンチ行為を行うなど政治的品性を著しく欠く行為を行った場合、あるいは、議会運営にあたって、極めて非民主的であったり不公平・不公正であったりして、議長の職務を継続させることができないと判断できる場合などであると考えます。
- 以上の観点から判断すると、問題となった行為は、議長不信任にするほどの内容とは言えません。また、その後、美延議長は、事実と不適切さを認め、反省の態度を示し、謝罪を表明しました。この点も考慮されるべきであります。
- 提出された「議長不信任決議案」では、「職員の政治的行為の制限に関する条例」に根拠を求め、これを推進した維新の会の要職を務めてきたことをもって、議長を辞職しない態度は「他者に厳しく、自らには甘い」という理由で不信任だとしています。わが党市会議員団は、こういう理由での不信任決議案には同意できません。
- 高校吹奏楽部などのクラブ活動において、日ごろの練習の成果を様々な機会を通して発表したいという思いは、十分理解できるものであります。事実、多くの地域や団体の催しの場や集会において、中学校や高校の生徒が、クラブ活動の一環として参加し、協力してくれています。今回の問題を過大に扱うことによって、これらの子どもたちのクラブ活動に、新たな規制が加えられるようなことがあってはなりません。わが党市会議員団は、子どもたちの思いを大事にし、この点にも十分配慮されるべきであると考えます。
- わが党市会議員団は、これまで橋下・維新の会とは真正面から対峙し、正々堂々と果敢にたたかってきました。それは、政策や政治の中身で、事実にもとづいて批判し、対案を示して取り組んできたものであります。今後もこの姿勢を変えず、全力で奮闘してまいります。